私は、介護は介護を受ける方だけでなく、支えるご家族の心のケアも同じくらい大切だと思っています。その思いは、私自身の経験から強く感じてきたことです。今回ご紹介するのは、ご家族の暮らしの変化をきっかけに生まれ変わった住まいです。普段は洗濯物干しや物置として使われていた二間続きの和室を、軽い介護が必要となったお父様のお部屋へと改装しました。陽当たりのよい南側にはベッドを配置し、介護士の方も出入りしやすい計画に。さらに、ご家族が見守れるようガラス入りの間仕切り戸を採用しました。北側のお部屋にもやさしい光が届き、思い描いていた空間が完成しました。完成後、お客様とお話しする中で、住まいの変化によって介護のある日常を前向きに受け止め、「この暮らしも楽しもう」とされているご様子がとても印象的でした。そのことが何より嬉しく、私自身も改めて住まいの持つ力を感じました。暮らしは、家族とともに変化していきます。その変化に寄り添い、その先の人生がより豊かになるように。これからも住まいづくりを通してお手伝いしていきたいと思います。